すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
阿倍野(大阪市阿倍野区)
大阪で梅田、難波に次ぐ繁華街。 JR天王寺駅とともにターミナルを形成。 近年はあべのキューズタウン、あべのハルカス等の建設で街の様相が一変した。 |
あべのハルカス、地上300メートル、2014年竣工予定!
阿部乃嶋鵜の住む磯に寄する浪間なくこのころ大和し思ほゆ | 山辺赤人(万葉集) |
アベノの、鵜が棲むような磯に寄せてくる波のように、この頃は絶えず故郷の大和を思い出す。 |
大阪の南部から北へ伸びている上町台地は、古代では、東を河内湖、西に大阪湾にはさまれた半島であった(らしい)。 阿倍野はこの上町台地上にあり、海側には大阪湾の荒波が寄せる磯があったのかな。 今でも阿倍野から西向きに見ると、通天閣がある新世界付近はかなり低い位置にある。 ******************* ちなみに、「阿倍野橋」は「阿倍野」にある「橋」のこと。 川が流れていないこの地になぜ橋が架かっているのかというと、明治時代に関西本線(旧大阪鉄道)の建設の際、当時の蒸気機関車の馬力では新今宮からの急坂を登れないことから、急勾配の緩和を目指して天王寺駅付近にいわゆる「峠の切り通り」を掘ることとしたが、その掘割を跨ぐように谷町筋に架けたのが「阿倍野橋」とのこと。 |
夕づく日残らぬ色やあべの島鵜のすむ石のうへにみゆらん | 後柏原天皇 |
あべのしま鵜のゐる岩ほかげ高み夕日かくれる波のすずしさ | 三条西実隆 |
実家(東住吉区)の近所です。
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