すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


あふちの関(長野県阿智村)











「あふちの関」は古代の東山道に設けられた関所だ。
「逢う」という言葉と語呂合わせした歌が数首伝わっている。
近江国の有名な「逢坂(おうさか)の関」と同じような意味合いの歌枕であったが、東山道が木曽谷ルートの中山道に変更され「あふちの関」を通らなくなったためか、その後はほとんど詠まれることがなくなったようだ。


もともと近くに神坂(みさか)園原(そのはら)帚木(ははきぎ)伏屋(ふしや)などの全国的なビッグネームの歌枕から風越山や須賀荒野(すがのあらの)などの地元一流程度の歌枕まで強豪がひしめき合う信濃国歌枕の激戦地区であり、その中で独自色を発揮できず、歌枕として衰退していったのだろう。


いかにも近江国の逢坂関の二番煎じというのも人々の支持が続かなかった理由だろう。


個人的には、愛する人に帚木(ははきぎ)」で逢えず、あふちの関で逢えたといったかんじで繋げるなど、近くの歌枕との連携でいろいろ工夫できただろうと思う。







そんなことを思いながらあふちの関に向かったのだが、事前にきちんと場所の特定をしていなかったので、目的地がどこなのか分からなくなった。

車を止めてスマホで探してみると、出てきたのがこのメーテレ(名古屋テレビ)の「旅してゴメン!」のページ。

「・・・急な坂を上がっていくと 《阿智村史跡 あふちの関跡》 を発見し気になるウドちゃん!」というコメントがあり、簡単な地図のイラストがあった。

この「急な坂」とイラストの地図をたよりに無事に現地に到着できた。
ありがとうメーテレ!










この小山の中腹にある。




急な坂を上がると、




あうせの関を発見!




阿智村の史跡として整備されていた。




あふちの関からの眺め






■あふちの関を詠んだ歌


信濃路や園原からと見る人はあふちの関はこえぬものかは 藤原経衡



いまさらにいなとおもひしみちなれど きみにあふちのせきぞうれしき 為仲集



しなのぢやかよふ心はありながらさもぞあふちの関はさびしき 宝治百首


















ちなみに、上のグーグルマップの「あふちの関」の場所は、
小生がグーグルに「場所の新設」を申請したものです。









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