すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


相川(岐阜県垂井町)






「辞世千人一首」(荻生待也編著)を読んだ。
このなかで岐阜県関係の歌を見つけた。
室町時代、豪族の子供たちの悲しい辞世の歌。


よろこびの世にあふ身ともなりもせで青野が原の露と消えまし 足利春王丸(享年十三)

相川や裾をひたしてゆく袖に 垂井の露と消えも果てなん 足利安王丸(享年十一)


「結城合戦で結城城に籠ったが幕府軍に攻め落とされ、安王丸・春王丸の兄弟は捕らえられた。京都に護送中、美濃の垂井で斬首刑に処せられた。」との解説がある。

結城合戦とは、「永享12年(1440年)に関東地方で起こった室町幕府と結城氏ら関東の諸豪族との間の戦いである。」(WIKIPEDIA)

地名は三つ。「青野が原」「相川」「垂井」でこれらは近接している。
このページでは、専ら「相川」を採り上げる。








相川橋より北方向。冬枯れのいい感じである。

ちなみにWIKIPEDIAの「相川(岐阜県)」には同じポイントの写真が掲載されているが、季節が夏なのか、まったく違った様相となっている。





そしてこれが相川橋。
旧中山道がここで相川を渡っている。
この相川橋が垂井宿の東の入り口となる。





ほかに相川を詠んだ歌

末遠き世に相川の岩波の千歳を越ゆる音のさやけさ 覧富士記














垂井町に「春王・安王の墓と辞世の歌碑」が
あるらしいです。次回行ってみたい。
場所は特定してます。
経緯度「35.368679, 136.523119」





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