すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


相生松原(兵庫県相生市)




和歌の世界で、「あふのまつばら」(相生松原/阿武松原)は各地にあるようだ。
前後の文脈、詞書、歌の中の地方名などによって、どこの「あふのまつばら」なのか判別できる。

たとえば、

みちのくの思いしのぶにありながらこころにかかるあぶの松原 藤原実長

であれば、「みちのく」と「しのぶ」から陸奥の歌枕になるし、

はかなしな 心つくしに 年をへて いつともしらぬ あふの松原 藤原経房(千載和歌集)

これは「つくし」と「筑紫」国を掛けているので、筑紫の歌枕になる。

では本題の、兵庫県相生市の「相生の松原」を詠んだのは次の歌。

播磨潟うらみてのみも過ぎしかど今宵とまりのあふの松原 堀河百首



「相生市」が昔は「相生町(あうちょう)」であったり、現在も「相生(おお)」という集落があったりするので、上記の歌枕と関連するようだ。
(いろんな疑問点はあるが)









現地を訪問した先に、現在に残る「相生の松原」を探してみた。


地図で見る限り、白砂青松の松林らしき場所はなかった。

相生湾の湾奥の中央公園周辺を歩いてみた。


歴史民俗資料館の海側に松の木らしい茂みを発見。


たしかに松の木が一本生えていた。


逆側から撮影。

これをもって「相生の松原」というのも変だし、かといって、これ以上探しても詮無いことなので、中止した。




中央公園で発見した相生に因んだ歌


今日よりは法にあほひの花を見て散る露の身となるぞ楽しき 室井清澄


中央公園内に歌碑


意味わかりません











行く前からそれほど期待していませんでした。





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