すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
赤埴(奈良県宇陀市)
赤埴(あかばね)は、奈良から伊勢へ通じる伊勢本街道の関所であったようだ。 現在でも小さな集落として残っていて、江戸時代の旅籠の建物があったり、天然記念物の千本杉があって、街道マニアは好みそうだ。 ![]() 「右いせ道」の道標 ![]() 江戸時代の旅籠「大津屋」の建物。 現在でも住宅として使われている。 ![]() 右手の山に沿って伊勢本街道は続いている。 こんな赤埴を詠んだ万葉歌 |
倭の 宇陀の真埴の さ丹つかは そこもか人の 我を言なさむ | 万葉集 | |
大和の宇陀の真赤土の赤い色が着物についたならば、そのことで人たちが 私のことをあれこれと噂を立てるのであろうか(宇陀市ホームページ) |
この歌の内容はややこしいが、とにかく歌のキーワードは「赤」。 この辺りは水銀の産地だったのか、赤土が露出していたのかよく分からないが、古来なんらかの「赤」が関わってきたのだろう。 地名の「赤埴」の由来である。 少し坂を下ったところにある井戸杉。 これはすごい! ![]() 井戸の周りに植えられた5本の杉が融合し癒着したものといわれており、16本の支幹に分かれている。 ![]() 根元に井戸の跡が残っているらしい。 ![]() 上の方。 弘法大師が杉の箸を差したものが育ったという伝説がある。 |