すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


赤坂(愛知県豊川市)




赤坂は東海道五十三次の36番目の宿場町。
美濃国の中山道にも赤坂宿があり、どちらの赤坂宿も娼婦で有名なので、よく混乱されたようだ。

東海道中膝栗毛では、弥次さんは北八を化けたキツネだと思って、後ろ手に縛って赤坂宿に着いた。その二人に野良犬が寄ってきたのだが、元来キツネは犬が天敵なのに、北八は平気でいる。弥次さんは「なんと!犬が来ても平気でいるとは、余程のキツネか、そうか本物の北八か」と驚いて、ようやく北八がキツネでないことがわかった。

泊まった旅籠では、ちょうど亭主の甥の祝言が行われていて、その夜は弥次さん北八の隣の部屋で新婚初夜。二人は襖をちょっと開けて覗き見しようと勢い余って襖ごと倒れ込んでしまう。

そんなエピソードが赤坂宿であった。




【現在の赤坂宿】


「東海道 赤坂宿」碑



宿場跡、なんとなく雰囲気が残る



これも



赤坂宿公園にあった「赤坂宿町並の図」



本陣跡



休憩所「よらまいかん」
中は資料が展示されていた。



赤坂宿からは歌枕の宮路山がよく見える。



関川神社(右)と宮路山(左下)


こんな赤坂宿を詠んだ歌


外山なる花はさながら赤坂の名をあらわして咲くつつじ哉 冷泉為相


赤坂と聞きつる里は紅葉にて夕日かがやく名にやありけん 近衛関白


どうも「赤」とか「咲く」に掛けているようだ。
冷泉為相は阿仏尼の息子。








広重の東海道五十三次「赤坂」(Wikipedia)

夕方に旅籠に到着した旅人たちの様子が描かれている。
この棕櫚(シュロ)の木は赤坂宿の別の場所に移されて、まだあるらしい。












訪問前は棕櫚の木を見学しようと思ってましたが、
忘れてしまいました。






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