すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
ひとたびもまだ見ぬ道にまどわぬは雨のあしこそ |
壬生忠見(芸藩通志) |
広島県東広島市に壬生忠見の歌碑がある。 壬生忠見と言えば百人一首にも選出されている実力派の歌人で、天徳内裏歌合という詠歌の対抗戦でライバルの平兼盛に敗れ、それが原因で悶死したというエピソードがある。 九州へ下向する途上、安芸国で雨に降られながら安志乃山を越えたときに詠んだ歌。 「あめのあし」は、雨足と足山を掛けたものらしい。 と言うことは、この辺りを旧山陽道が通っていたことになるのだが、資料を見る限り、旧山陽道はもっと南の場所を通っている。 壬生忠見は九州へ行く途中、なにゆえここに現れたのか。よく分らない。 よく分らないが、歌碑まで建てているので、それなりの識者のそれなりの根拠があったのだろう。 ![]() 安志乃山は歌碑の背後の山ということ ![]() 多分、写真中央の尖った山だろう |