すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


天の川(大阪府枚方市)


枚方市、交野市辺りは平安時代から日本の「七夕伝説」の聖地であった。

「星田」「星ケ丘」「中宮(北極星のある場所の意味)」のような地名があり、神社は「機物神社」、橋は「逢合橋」、「牽牛石」なる巨石もある。

そのような中を「天の川」が流れている。




平安時代、
このような伝説の「天の川」に、狩りを楽しんだ在原業平ら一行がやってきて、酒盛りを始めた。


宴会の中で、「狩り」と「天の川」で歌を詠め、ということになり、

 狩り暮らし たなばたつめに 宿からん 天の河原に 我は来にけり 在原業平
一日狩をして過ごして七夕姫〔織女〕に宿を借りよう 天の河の川原に私は来たことだ


これに対し、

 ひととせにひとたびきます君まてば やどかす人もあらじとぞ思ふ 紀有常
 一年に一度いらっしゃる殿方〔牽牛〕を待つので 宿を貸す人もいないだろうと思う




この日は一日じゅう狩りをしながら最初は交野で桜見の宴会、次に日暮れ時に天の川で宴会、最終は水無瀬で朝まで宴会と、酒盛りづくしの一日であった様子。

伊勢物語(八十二段)







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なんと、前職の先輩、S氏から天の川の写真の提供がありました!!

S先輩は昔のモデル体型復活を目的にウォーキングをされています。

この日は枚方から往復10キロほど歩かれたそうです。

天の川って一級河川だったのか。

「枚方大橋から京都方面を望む」とのこと






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万葉集にはこんな素晴らしい歌がある。

天の川 楫の音聞こゆ 彦星と織女と 今夜逢ふらしも 万葉集


















【追記】

年に一度、七夕に織姫と彦星が逢ったという伝説の「逢合橋」が現在も残っているとの情報があったので行ってきた。
京阪交野線の交野駅から徒歩10分程度。
車の交通量もそれなりに多かった。
(大阪府交野市私部西11)



これが逢合橋、西詰に万葉歌碑



逢合橋は二車線の車道に、二つの歩道が囲む



逢合橋から下流方向を望む




彦星と織女と今夜逢ふ 天の川門に波立つなゆめ 万葉集


逢合橋西詰に歌碑
















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