すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


穴虫峠(奈良県香芝市)




二上山の北麓、大阪の太子町と奈良の香芝市の府県境にある峠。。

若い頃、石マニアだった頃、
穴虫峠周辺にサヌカイトとザクロ石を採集しによく来た思い出がある。
今回、何十年ぶりかで穴虫峠を訪問したが、採集した場所は立入禁止になっていた。

それぐらいしか、ここに書くことがない。

たしかにここは地味な峠で、あまり車も通らない。
二上山の南麓を通る竹内峠の方が、勾配がきつい割に昔も現在も主要道となっている。

なんでだろう。







現在の穴虫峠


穴虫峠から奈良県側を望む



穴虫峠から大阪側を望む



これは奈良側から穴虫峠を見上げたもの



と、突如近鉄南大阪線の列車が通った。
近鉄南大阪線も穴虫峠を越えている。









そんな穴虫峠は、昔は「大坂」と呼ばれていた。そんなに急勾配でないが、何故だか「大坂」らしい。



大坂を我が越え来れば二上にもみぢ葉流る時雨降りつつ 万葉集
大坂越えの峠道を私が越えて来ると、折から二上山には紅葉葉が風に吹かれて、
まるで流れるように散っていることである。時雨が降りしきるなかで。
(香芝市の説明板より)


デイリーヤマザキ大和高田バイパス店の廃店跡に歌碑
奈良県香芝市穴虫2242−1






大坂に会うや乙女を道問えば直(ただ)には告(の)らず当麻路(たぎまじ)を告る  履中天皇(古事記)
大坂で出会った乙女に道を訊いたところ、
この道を行かずに当麻路を行くようにと答えた。(橿原市HP訳)


近鉄駒ヶ谷駅の北、新池ほとりに歌碑




下の履中天皇の歌は、難波から逃げてきたときに、敵に大坂の峠で待ち伏せされているところを、通りがかった乙女が当麻路(竹内峠)を行ったらいいと教えたもの。








峠にあった大阪と奈良の標識









車も通らない地味な峠でしたが、ハイカーはそれなりに歩いてました。




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