すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


穴師(奈良県桜井市)




「穴師」、「巻向」、「檜原」、「三輪」、それに「弓月が岳」、「泊瀬」。
とにかく、これらの歌枕が入り乱れていて、ごっちゃになっている。
これらは狭い地域にあり、そして「巻向山」、「三輪山」、「初瀬山」が山続きになっており、またそれぞれ山裾を流れる川の上流は「初瀬山」あたりにつながっているため、多分、歌を詠んだ人々もよく分からないままに、語呂が合うなど雰囲気で作ったものもあるのだと思う。


今回、それぞれの歌枕を分類しようとしたが、一つの歌にいくつもの歌枕が入っているため、無理だった。







「穴師」についても、「巻向」と重ることが多いが、現在でも地名として「穴師」が山辺の道沿いに残っている。また、歌枕としては「穴師川」が有名だが、現在は「巻向川」と呼ばれている。


山辺の道を歩いた時に現在の「穴師」を撮影してきた。

山辺の道。切り通しの先は「穴師」の里


山辺の道。「穴師」の集落。向こうに見えるのが三輪山。


無人の売店があった。100円でワラビを買った。


これも「穴師」の集落。







「穴師」関係の歌


痛足川川波立ちぬ巻目由槻が嶽に雲居立てるらし 柿本人麻呂(万葉集)
穴師川に川波が立っている。巻向山の由槻嶽に雲が
わきあがっているらしい。(桜井市のホームページ)
 
※痛足川は穴師川


これが穴師川(現在の巻向川)
三輪山と弓月が岳の間を西流




巻向穴師の川ゆ行く水の絶ゆることなくまたかへり見む 柿本人麻呂(万葉集)
(私訳)巻向の穴師川の水が絶えないように。また今度見に来よう。 





平安時代においても詠まれている。


まきもくあなしの山の山人と人も見るがに山かづらせよ 読人知らず(古今和歌集)
穴師川ふる山かけてくる春のしるしと今朝は水ぞぬるめる 曾禰好忠(曾丹集)
穴師川落ち来る水の岩ふれて折る人なしに波ぞ花咲く 藤原基俊(堀川百首)




穴師の里の遠景


 








こんなかんじでホームページを作りましたが、
実際のところ、よく分かりません。





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