すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


青柳の里(滋賀県高島市)







春の程は霞の中に見えしかど 霧も立ちけり青柳の原 藤原仲実




現地の説明文をまとめると、

・この付近はかつて青柳の森、青柳の原ともよばれ青柳の里として名所の一つとして数えられていた。

・中世以来、都の歌人たちによって詠まれた名所「青柳橋」の消え去ってしまうことをおそれ、現地の人が「青柳橋古碑」を建てた。

とにかくこの辺りに青柳の森があって、原があって、里があって、橋があり、中世以来の名所だったようだ。








■ 現在の様子



史跡として整備されている。きっちり柳が植えられていた。グーグルマップにも「青柳橋古碑」として登録されている。




左が「青柳橋古碑」、1846年建立
右は「青柳の里碑」、1996年建立




すぐそばにあった橋。もしかして、これが青柳橋かな




現地の人しか通らないような道端にあった




「青柳の里碑」の裏に上記の藤原仲実の歌が刻まれていた














【 追 記 】



君が代は民の心の一方(ひとかた)に靡きて見ゆる青柳の村 夫木和歌抄


この歌、どこで見つけたのか分からないが、手元のメモに残っていた。
歌の意味から、たぶん大嘗会和歌だろう。
若い柳の木が風に靡いている、そんな名前の青柳の村のように、民の心も同じ方向に靡いている、というかんじ。














ここを訪ねる人は一年間に何人ぐらいいるのだろうか






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