すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
有馬(三重県熊野市)
う〜ん、有馬か〜 たまたま有馬の地に「花の窟」という景勝地があったので、その関連で「有馬」が詠み込まれた和歌が残されている。いわば地名の「有馬」が景勝地「花の窟」を指す言葉となっていた。 そしてどれも「神」や「花」や「祭」がキーワードとなっている。 こんなかんじ |
紀の国や有馬の村にます神に手向る花は散らじとそ思ふ | 徳大寺 公能 | |
神まつる花の時にやなりぬらん有馬の村にかかるしらゆふ | 葉室光俊朝臣 | |
春風に木すゑさきゆく紀の国や有馬の村に神祭りせよ | 夫木和歌抄 | |
有馬の海浪のゆふ花折りかけて神をまつらぬ時も日もなし | 加納諸平 |
それはともかく、地形マニアの私にとって有馬の地は本当に興味深いものであった。 @先ず、この地域最大の河川である熊野川の存在。熊野川が運んできた砂礫が太平洋の沿岸流により七里御浜という砂州を形成。 Aこの砂州の発達により、もともとこの地にあった河川の河口が閉塞してしまい、砂州の背後に後背湿地帯や潟湖が形成された。現在では沼沢性起源の低湿地として水田等が拓かれている。 B沿岸流が形成した砂州は比較的地盤が良く、古くから集落が並び、街道が砂州上を通っている。(標高16メートルあるところも!) ![]() 砂州上の集落。これは感動!(マニアにとって) ![]() これは低湿地帯越しに砂州形成地を写す。 集落は砂州上にある。 ![]() これも低湿地帯。 左の山のことろが「花の窟」 |