すさまじきもの ~歌枕探訪~


厚狭(あさ)(山口県山陽小野田市)





雨に着る我がみのしろにかへななむ衣織るてふ厚狭の里人 今川了俊(道行きぶり)






NTTドコモの質問サイト、「教えて!goo」に次のような質問&回答が掲載されていた。

【質問】

この俳句の表現技法を教えてください。
「雨に着る 我がみのしろに かへななむ 衣織るてふ 厚狭の里人」
この俳句にはどのような表現技法が用いられていますか?また、この俳句の意味も教えてほしいです!俳句の文法(?)が本当にわからないので、バカだと思って解説お願いします。


【回答①】
まず、一言。
これは俳句ではないですよ。短歌です


【回答②】
体言止め

【回答③】ベストアンサー
みのしろ=蓑の代金と身代(財産)の掛詞
雨に着る私の蓑ととり換えてしまってほしい。衣を織るという厚狭の里人よ。なんなら全財産と取り替えてでも。







今川了俊の「道行きぶり」という紀行文ってとてもマイナーな存在で、しかも厚狭という更にマイナーな地名を詠んだ歌についての質問と、回答が成立していることに驚いた。


付け加えるとすれば、厚狭は同音の「麻」に通じ、麻の縁語で「衣」「織る」に繋がる。よって厚狭は織物の里だということ。









■ 現地訪問


厚狭と言えば「三年寝太郎」。
三年寝太郎の銅像がJR厚狭駅前にあるとの情報があったので、行ってみた。JR厚狭駅は、新幹線も停まる駅とのこと。





厚狭駅北口
いやはやローカルムードが漂っていた



三年寝太郎像
寝太郎は怠惰な若者と思っていたが、老人だった



厚狭駅の改札
新幹線は南口側にあるが、元々は北口が厚狭駅の玄関口であった
Wikipediaによると、新幹線ホームには8輌分しか屋根が設置されていないとか



駅前ロータリー



一般車の駐車は無料だった















■ 三年寝太郎とは

内容を摘記すると、

『昔むかし、一人の翁が仕事もせず、いつも寝てばかりいるので、人々から「寝太郎」と呼ばれていた。3年3ヶ月間寝たのちに起き上がり、大きな堰を造って厚狭川の流れを引き入れ、やがて荒れ地だった土地が豊かな水田に変わった』

『村人たちは寝太郎に大いに感謝した』

このような経緯があり、三年寝太郎は現在でも厚狭のヒーローとなっている。

そして三年寝太郎を祀った神社が建立された。


寝太郎荒神社(山陽小野田市桜2丁目2−11)



神社にある祠と「寝太郎旧蹟記念碑」














ここは「山陽小野田市」らしいが、もう少し短くできなかったのかな





copyright(C)2012 すさまじきもの~「歌枕」ゆかりの地☆探訪~ all rights reserved.