すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


朝日山(京都府宇治市)




宇治の観光巡りをしていると宇治川の右岸で目に入るのが、お椀をひっくり返したような山容の朝日山。なにやら由緒ありげに見えるのだが、さもありなん、古くは万葉集にも詠まれている歌枕の山。




【朝日山】



宇治川の、橘島のむこうに見える朝日山
風雅なたたずまいである。



JR奈良線の車窓から。真ん中の山が朝日山。左の手前の山が大吉山。



宇治川の下流からの写真。
宇治川があって、JRの鉄道橋が架かっていて、ちょうど真ん中に朝日山。
その背後に宇治をとりまく山々。
手前右手の堤防は歌枕の「槙島」





朝日山を詠んだ歌


ふもとをば宇治の川霧たちこめて雲居に見ゆる朝日山かな 藤原公実(新古今和歌集)


宇治川の南岸から北岸にある朝日山を眺めたのだろう。川霧なので、朝の歌。朝日山に掛けているのだろう。





紅葉散る山は朝日の色ながら時雨れてくだるうぢの川波 続古今和歌集

朝日の色 = 赤色 = 紅葉





朝日山峰の紅葉を見渡せばよもの梢に照りまさりけり 藤原為親

朝日 = 照る










さて、朝日山の古称は「今木の嶺」らしい。
「今木の峰」も万葉集で詠まれている。


妹らがり今木の嶺に茂り立つ夫松の木は古人見けむ 万葉集


今木 ・・・ 今来た
松 ・・・ 待つ

















マイナーな歌枕です





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