すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


麻茅原(大阪府高槻市)





ちょっと「摂津名所図会」がらみの小ネタ


(早稲田大学図書館)

麻茅原  金竜寺の麓にあり
里諺に云ふ、能因法師この原にて美女の死したるを見たまひてかくぞ詠じたまふ


浅茅原まとふ黒髪きのふまでたが手枕のうへに置きけん  能因法師

と詠吟したまへば、かの屍動き出でて草むらより枕をもたげ、悦ぶけしき見えて、またもとのごとし
つひにここに葬り、印の石を置ゑて弔ひたまふとなん。この石今にあり



(摂津名所図会)


とにかく要約してみると、
@美人が死んでいるのを能因法師が見て
A「いったい誰の手枕で昨日まで寝ていたのだろう」と詠んでみたら
Bやおら死体が動き出し、悦んでいるようだったが、また動かなくなった
Cこのためここに葬り、石を置いて弔った。その石は今もある。


う〜ん、とくに何も思わないが、近くまで行ったので現地の写真を撮った。


左の山が金龍寺のあった旧名:玉坂山。
(現在、地元では何と呼ばれているのだろうか?)
その麓のが摂津名所図会のいう「麻茅原」

この辺りかな?


右の山が玉坂山






通りすがりの「ゆかりの地」訪問でした




copyright(C)2012 ゆかりの地☆探訪 〜すさまじきもの〜 all rights reserved.