すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


飛鳥川(大阪府羽曳野市)




飛鳥川って ・・・?




実は飛鳥川は奈良県明日香村と河内(大阪府羽曳野市あたり)の2か所にあって、明日香村の飛鳥川の方が断然有名である。
和歌の世界でもほとんどが明日香村の方を詠んでいるのに対し、次の歌は河内の飛鳥川を詠んでいるのだろうと、一般的に解釈されている。




明日香川 もみじ葉ながる 葛城の 山の木の葉は 今し散るらし 万葉集
明日香川を色づいた葉が流れている。その上流の葛城の山の木の葉は、
今まさに散っているのだろう(柏原市のホームページ) 




この万葉歌が新古今和歌集で若干修正されて、作者:人麻呂として収録された




あすか川 もみじ葉ながる 葛城の 山の秋風 吹きぞしぬらし 柿本人麻呂(新古今集)


河内の飛鳥川の月読橋の上流50m右岸に歌碑





キーワードは「葛城山」
「葛城山」のもみじ葉が風で飛んで、川に流されてきた。その地は葛城山の下流に当たるので、河内の飛鳥川だろう、ということ。


要は、古代大和政権の時代に、ふたつの飛鳥があって、河内の飛鳥は「近つ飛鳥」、明日香村の飛鳥は「遠つ飛鳥」と呼ばれていた。そしてそこには、それぞれの飛鳥川が流れていたということ。













河内の飛鳥川に行ってきた。



ちょっと見にくいが、川の先にある霞んだ山が葛城山



一般的な、郊外の川になっている



雑草が繁茂していているが、先に見えるのが月読橋。
月読橋は竹内街道であるが、伊勢を目指す人々が通ったことから、伊勢神宮にちなんだ名称がつけられたもの。

羽曳野市と柏原市の市境付近で石川に合流する。












小学生のころ、よくこの付近に遠足に行きました






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