すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


安宅関(あたかのせき)(石川県小松市)




勧進帳の安宅関は、あまりにも有名。
それは歌舞伎の演目であるためであろうか。
あんまり歌舞伎のことは知らないのだが、ストーリーはよく知っている。
義経や弁慶の一行が、安宅の関守の富樫に疑われながらも、弁慶の機転でなんとか難を逃れ、関を通過したという話。
まさに判官物の代表的な演目。
歌舞伎役者の市川海老蔵が、2016年に安宅関の跡地で勧進帳を公演したとのことで、地元では大フィーバーになったらしい。
能では同じ内容で「安宅」がある。

いやはや、北陸随一の名所旧跡地である。

現地を訪問したのは2017年の真夏。
イメージとしては、山奥の峠道の関所のように思っていたが、実は目の前は海岸、それも海水浴場であった。
須磨や清見浦のように海に向かって山がせり出しているわけでもない、至ってノーマルな砂浜海岸で、背後には当時は潟湖などが形成されていたのだろうか。
つまりここは昔、砂州のような地形で、砂州の上に街道が通り、そこに関所が設けられたもので、海と潟湖に挟まれた細長い場所だったのかな?



【安宅関】 ・・・ 石川県小松市安宅町


駐車場横にあった弁慶像



砂丘に向かって上っていく。



安宅関の入り口



松林の中、ここがまさに関所の跡らしい



史跡として整備されていた



左から、弁慶、義経、富樫、かな?



砂浜に立つ一本松



現地にあった安宅住吉神社



勧進帳を読む弁慶の彫像があった。








与謝野晶子が歌を詠んでいる


松たてる安宅の砂丘その中に清きは文治三年の関 与謝野晶子


安宅関跡の海岸側に歌碑


安宅住吉神社の近くに歌碑
















果たして、富樫は弁慶にだまされたのか、
それとも義経だと分かってたけど、見逃がしたのか

















【追記】


北陸新幹線、小松駅前にも安宅関の史跡があった


小松駅西口



弁慶(左)と富樫(右)
義経は?





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