すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
年魚市潟(名古屋市緑区)
年魚市と書いて、「あゆち」と読む。 「あゆち」は「あいち」に転じ、県名の愛知の語源となっている。 中世の東海道は熱田神宮から東へは、干潟を通るルートとなっていた。 陸地から望むと、遠くに知多半島が見え、そして眼下に干潟が広がっていて、見事な景勝地であったらしい。 現在、名古屋市緑区の白毫寺に「年魚市潟景勝」の碑が立つ。 ![]() 蚊が多くて難儀した。 ![]() 白毫寺。住宅地の中でここだけが静寂であった。 ![]() かつての海方向を望む。 まったくの住宅街となっている。 ![]() 白毫寺の南面で、敷地の境。 この段差こそ海岸段丘の跡であろう。 この左手まで海水が迫ってたのだろう。 |
年魚地潟 潮干にけらし 知多の浦に 朝漕ぐ舟も 沖に寄る見ゆ | 万葉集 |
年魚市潟は、潮が干いたらしい。知多の浦で朝漕いでいた舟も 沖の方に寄っているのが見える。(浜島書店) |