すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


万歳の泉(岡山県新見市)





平安時代初期、宇多天皇が御巡幸されたときに、この清い水に感嘆されて「萬歳」と叫ばれたことから「萬歳の泉」となったらしい。
また南北朝時代、後醍醐天皇が隠岐遷幸の際にこの泉で休憩されたという伝承も残る。
千年の昔より涸れることなく湧く泉は、玉露の味がするとされ、都人たちに萬歳の名泉として知られていたようだ。


こんな由緒深い萬歳の泉であるが、現在では知る人ぞ知るような忘れ去られたような存在になっている。場所が田舎すぎるのだろうか。


なお、この辺りは石灰岩の地層が広がっているので、石灰岩から沁み出しているところが、玉露の味につながっているのだろう。(飲んだことがないので分からないが)




■現地訪問


これが萬歳の泉



石碑と泉
石碑は剥落していて判読できなかった。



藻が繁茂していた。たしかにきれいな水であった。



こんな感じで史跡として整備されている。



前面の道路。県道33号線。



バス停の名は「万才泉」




こんな萬歳の泉を詠んだ歌


万歳の泉の水にくらぶれば たひらけき世は春まさりけり 藤原為政(大嘗会和歌集)









備中国名所考「万歳井」 (国文学研究資料館


この備中国名所考の絵図はひどい。
泉でおっさんが体を洗っている。
現在とはいろんな感覚が違うのであろう。














今、この泉の水をそのまま飲んでも大丈夫なのかな?






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萬歳の泉