すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


筑摩(滋賀県米原市)




米原市の筑摩神社には、伊勢物語にも出てくる鍋冠祭が伝わっている。

昔は妙齢の女性が、関係を持った男の数だけ土鍋を冠り、神輿の渡御に従い、もし鍋の数を偽れば神罰が下るというもの。

伊勢物語では、


昔 男 女のまだ世経ずとおぼえたるが
人の御もとに忍びて物聞こえてのち ほどへて


近江なる筑摩の祭とくせなむつれなき人の鍋の数見む 伊勢物語


まだまだ子供と思っていた女が、じつは高貴な人とデキていたと知って、この昔男は女に対し、腹を立てたのか、からかったのか、「つれない人が鍋をいくつ冠ってお参りするのか見てみたい」と詠んだもの。


江戸時代に、実際よりも少ない鍋を冠った女性に神罰なのか、本当にその女性が死んでしまったことを受け、その後は子供たちによって行列が行われている。





【筑摩神社】 ・・・ 米原市朝妻筑摩1987


拝殿(真ん中)と奥にある本殿


案内板にあった祭の写真





これも










これも鍋冠際の歌

いつしかも筑摩の祭はやせなむつれなき人の鍋の数見む 拾遺和歌集












このほかに「筑摩江」のこととか、いろいろ調べてましたが、
区切りがいいのでこんな感じで終わります。






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