すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


中尊寺(岩手県平泉町)





五月雨のふり残してや光堂 松尾芭蕉(奥の細道)



2018年夏の、みちのく一人旅、初日の岩手県の旅のクライマックスになる予定だったのが、中尊寺。

ところがスケジュールの時間設定を間違い、中尊寺に着いたのが午後6時。拝観時間はとうに終わっていた。





駐車場も終わっていた



入り口も閉まっていた



寺院の外にあった弁慶の墓へ

色かえぬ松のあるじや武蔵坊 素鳥/中尊寺僧





と言っても、中尊寺が古典文学と絡んでいるのは、松尾芭蕉の奥の細道ぐらいで、あとは明治以降に芭蕉の足跡を追憶する俳人が金色堂などを訪問した際に詠んだ句が数首あるのみ。(かな?)
歌枕の、束稲山、衣川、衣の関、それから阿部貞任のエピソードがあった一首坂へは既に当日訪問しているので、まあ、中尊寺はまたの機会に再チャレンジでいいと思っている。
もともと仏教建築とか、あまり興味がないし。











えーと、昼頃に平泉に着いた松尾芭蕉は先ず源義経の居館があった高館に向った。丘陵地の高館からは、北上川や衣川が一望でき、古戦場跡が田野になって広がっていた。芭蕉は「国破れて山河あり 城春にして草青みたり」などと吟詠しながら、時間を忘れて泣き咽んでいたようだ。
その後に中尊寺を訪ね、寺宝の見学をしている。
せっかくなので、奥の細道の本文

かねて耳驚かしたる二堂開帳す。経堂は三将の像をのこし、光堂は三代の棺を納め、三尊の仏を安置す。七宝散りうせて、珠の扉風に破れ、金の柱霜雪に朽ちて、既に頽廃空虚の叢となるべきを、四面新に囲みて甍を覆ひて風雨を凌ぐ。暫時千歳の記念とはなれり。

金色堂は、囲いで守っていたので、それほど朽ちていないということ。








金色堂関連

清衡の 願文の意の 大文字 遠藤梧逸
眼にうれし 心に寒し 光堂 福地直哉
七重八重の かすみをもれて 光堂 伊東雅休
















とにかくもう一回、岩手県巡りを企画したいと思います。






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