すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


道成寺(和歌山県御坊市)

熊野詣に関連する物語で有名なのは「小栗判官」と「安珍清姫」が双璧をなしている。
私は2009年から熊野古道を歩いているが、この二つの物語に因んだ場所がそこらかしこにあって、道中の楽しみにしている。

この道成寺は「安珍清姫」のクライマックスの場所。


道路案内


道成寺


安珍清姫のあらすじを簡単に説明すると


奥州の僧侶、安珍が熊野詣の途上、、地元の女性、清姫に一目惚れされて言い寄られるが、安珍は「熊野権現に参拝をしたら帰りにまた寄ります」と言って旅立っていった。


清姫に会いたくない安珍は、帰り道は清姫宅に寄らずに通り過ぎた。


安珍をずっと待っていた清姫は、約束を反故にされたことから怒り出して追いかけてきた。
そして安珍を見つけてたが、安珍が逃げ出したので火を噴いた。


追いかけているうちに清姫はだんだん蛇になってきた。



追いかけるのに疲れた清姫が休憩
した場所が名所になっている

<清姫の腰かけ石>


清姫が脱いだ草履を引っ掛けた松も残っている

<清姫草履塚>

日高川を越えて追いかけてきた清姫



日高川に架かる橋の欄干のデザイン


日高川を越えた安珍は道成寺に逃げ込み、助けを求めた。
道成寺の僧侶たちは安珍を寺の釣鐘の中に隠した。



そこに蛇の清姫が追いかけてきて、釣鐘もろとも自分も
焼いてしまった。




安珍は釣鐘の中で丸焦げに焼け死んでしまった。

このようなストーリー




「女性の執念は怖い」という題材で、能や長唄、浄瑠璃
などの古典芸能にひろく採り上げられている。





「能」道成寺より

 山里の春の夕暮きてみれば入相の鐘に花ぞ散りける 能因法師(新古今)







安珍と清姫の歌が残っている

先の世の契りのほどを み熊野の神のしるべもなどか無からむ 清姫
み熊野の神のしるべと聞くからに など行く末の頼もしきかな 安珍






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もちろんお土産は「釣鐘まんじゅう」






※このページでは道成寺のホームページから絵巻、釣鐘まんじゅうの画像をお借りしました。





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