すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


道明寺(大阪府藤井寺市)




明治時代の神仏分離までは、道明寺と道明寺天満宮は同じ敷地にあったらしい。現在でも地元で道明寺といえば道明寺天満宮のことを一般的に指す。

政治的に不遇であった菅原道真の怒りを鎮めるため、道真を神として祀ったのが天満宮。天満宮は全国各地にたくさんあるが、その中でも藤井寺市にある道明寺天満宮は格別の存在であるらしい。

それは、この辺りは道真の祖先の土師氏の所領地であって、この道明寺には道真の叔母が住んでいたり、なにかとゆかりがあったため。宇多上皇の大和河内御巡幸の際には、道真も当地にお伴して「雨中錦を衣て故郷に帰る」と漢詩に詠んだことからも、道真にとってこの地は第二の故郷であったようだ。

さて、道真が大宰府帥として左遷された際に、都から淀川を下りながら舟の中で次の歌を詠んだ。。


世につれて浪速入江もにごるなり 道明らけきぞ恋ひしき 菅原道真


九州に流される前に道明寺に行きたい、という願いは許された。
叔母へ別れの挨拶のため訪れた道明寺では、出立の朝、予想外に早い時間に一番鶏が鳴いてしまった。


鳴けばこそ別れも憂けれ鶏とりの音の 聞えぬ里の暁もがな 菅原道真

鳥がいなかったら、別れの挨拶も十分満足にできたのに、という道真の気持ちを慮って、その後この地では鳥を飼わなくなったという逸話が残っている。
(今はどうなんだろうか)







そんな道明寺天満宮に2月の受験シーズンに行ってきた。



【道明寺天満宮】 ・・・ 大阪府藤井寺市道明寺1-16-40


学問の神様なので受験生の姿もチラホラ。



「東風吹かば〜」のエピソードから、境内にはたくさんの梅が植えられていた。


実際は、この写真の10倍ぐらいの美しさがあった。
























子供の受験のシーズンに再訪したいと思います






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