すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
恵蘇桜(三重県亀山市)
結局、恵蘇桜にはたどりつかなかった、という話。 「東海道名所図絵」に 恵 蘇 桜 宿中民家の前栽(庭先)にあり。むかしの街道筋にして、岨(そば)を通りしなり。この近隣井口氏の家に恵蘇桜という名酒を商う。蝦夷は謬りならん。 とあり、次の歌が紹介されている。 |
蝦夷過ぎぬ これや鈴鹿の 関ならん ふりすてがたき 花のかげかな | 藤原定家(新後撰集) |
そして「関 地蔵院」の挿絵を見てみると、 ![]() 関 地蔵院の並びに恵蘇桜が描かれていた。 定家も感嘆したという恵蘇桜を一目見ばやと、この絵の位置関係を頭に入れて、現地を訪問した。 ![]() これが関 地蔵院。宿場町のど真ん中にあった。 で、名所図会の絵を手掛かりにいろいろ歩きまわったが、結局どこにあるのか分からなかった。 仕方がないので、地蔵院の境内にある桜の写真を撮ってきた。 ![]() ![]() ![]() ![]() 8月だったので、当然の葉桜。 多分、桜の咲くころに来たら素晴らしいのだろうが、恵蘇桜はもうないのかな? 恵蘇桜はもう枯れてしまったのかな、と思っていたのだが、 帰宅後にインターネットで調べたところ、地蔵院の裏手の山に二代目の恵蘇桜が育っており、入園料を払えば案内してくれるとの情報があった。しかも恵蘇桜の横には上記歌の歌碑があるという。 「東海道の昔の話」参照 http://www.shimin-kyodo.sakura.ne.jp/bungei/aichikogan/tokaido22.htm |