すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


船岡山(京都市北区)




その日のスケジュールとして、叡山電鉄修学院駅からスタートし、上賀茂神社から今宮神社、大徳寺、雲林院をまわって、船岡山を目指した。
船岡山の頂上には、平安京遷都以前から信仰されてきた磐座があると、少し前にテレビで紹介されていた。


道の先にあるのが船岡山



船岡山にある建勲神社の鳥居も見えてきた



これが船岡山と建勲神社



ちょっと階段が急なかんじ



なんというか、階段を前に躊躇してしまった。
このあと一条戻り橋を経由して出町柳まで歩くことを考えると、足が動かなくなった。
(結局、山頂には登らなかった)






【船岡山について】
・船のような形の山なので船岡山
・昔の朱雀大路の北の延長線にあり、平安京の建都の基点となった。
・枕草子に「丘は船岡、片岡、鞆岡」
・織田信長をまつる建勲神社がある。
・応仁の乱で西軍の陣地であった。この辺りは西陣という地名になった。
・その他、建勲神社のホームページ内の「船岡山について」の頁に自然科学的なアプローチが詳述されていて興味深いものがあった。
京都 船岡山 建勲神社




こんな船岡山を詠んだ歌の紹介


けふの日のさして照らせば舟岡の紅葉はいとどあかくぞいりける 凡河内躬恒


船岡の野中に立てる女郎花わたさぬ人はあらじとぞ思ふ 拾遺集


波高き世をこぎこぎて人はみな舟岡山をとまりにぞする 西行(山家集)
いろいろつらいことの多く波瀾に富む世を、人は一生懸命に漕いでわたり、
最後には船岡山を泊りとして、皆そこに葬られることだよ。
            (新潮日本古典集成山家集) 

昔は葬送の地だったようだ


船岡のすそ野の塚の数そへて昔の人に君をなしつる 西行(山家集)

これも




次の二首は今昔物語集の中の有名なエピソードの際に詠まれたものとして興味深いが、そのエピソードをここに記すのは大変なので割愛する。
(今昔物語集の巻二十八の「第三 「圓融院の御子の日に参りし曾禰好忠の語」を検索してください)

船岡に若菜つみつつ君がため子の日の松の千代をおくらむ 清原元輔


子の日してよはひをのぶる船岡は松の千歳をつめるなりけり 経信集







都名所図会 「舟岡山」

国際日本文化研究センター








船岡温泉という銭湯が有名らしく、
今度行ってみたいです。





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