すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


古江の浦(広島県尾道市)







和泉式部の伝承地がここにもあった。


往昔、和泉式部がこの地を訪れ、その勝地佳景なるを賞嘆し、自ら枝振りの良い松を選んで浜辺に植えたという。


その松の枝は四方にはびこり、地に垂るるように十数メートルにも及び、幹の周囲は約六メートル、支柱数十本を要し、樹齢百年を過ぎても葉の色ひとつ変らず青々と茂り栄えたという。


和泉式部が植えた松は、古江の垂松として都にも口承され、そして歌が詠まれた。


萬代のかげを並べて鶴の住む古江の浦は松こそたかき 相模(続後拾遺和歌集)


和泉式部の植えた松は明治時代に枯倒し、その後に二代目、三代目と植え継がれ、現在は四代目らしい。

(本稿は「備陽史探訪の会」発行の備陽史探訪82号を参考にさせていただきました)









■ 現地訪問


向島新四国、第二十六番、金剛頂寺



この本堂の右手にある松が四代目



松の後ろに石碑がある



「和泉式部手植・・・・・・」と文字が確認できる
しかし、現地の案内板もなかった



前の道から海を眺める













和泉式部の古跡ですが、和泉式部の歌は伝わっていません





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