すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


伏拝王子(和歌山県田辺市)




熊野詣で京の都から遙々やってきた参詣者は、ここから初めて熊野本宮大社の姿をはるかに望むことができる。
人々は感激して本宮に向かって伏し拝んだことから、ここは「伏拝王子」と呼ばれることになった。(「王子」は熊野詣の参拝所)





【伏拝王子】

こんな感じの王子跡



これは伏拝王子の石祠とのこと



こちらは和泉式部の供養塔らしい



この王子跡から熊野本宮を望む。
写真の中の白い点に見えるところが本宮の旧社地の大斎原(おおゆのはら)である。


【拡大写真】

あんまりよく分らないが








さて、この伏拝王子には和泉式部の有名な伝説が残っている。

和泉式部が熊野詣でようやく伏拝王子までたどり着いたときに月の障り(月経)になる。昔は神社参詣に血の穢れは禁物であったため、和泉式部は参拝を諦め、次の歌を詠んだ。

晴れやらぬ 身の浮き雲の かさなりて 月のさはりと なるぞくるしき 和泉式部

すると、熊野権現が現れて、和泉式部に歌を返した。

もとよりも 塵にまじはる 神なれば 月のさはりも 何かくるしき 熊野権現

こうして和泉式部はそのまま熊野本宮へ参詣することができたという話。


一遍上人の時宗の影響で、古来、熊野権現は浄不浄を厭わないものとされてきたようだ。





和泉式部の歌が紹介されていた。



熊野古道を歩くハイヤーの休憩所になっている。












外人も熊野古道を歩いてますけど、ただのハイキング
コースと思っているのでしょう。






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