すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


不破の関(岐阜県関ケ原町)




メジャーな歌枕


不破の関は、美濃国と近江国の国境にあった東山道の関所で、古代の三関の一つ。壬申の乱の激戦地でもあった。


え〜と、結論から言うと、
 ・延暦八年(789)に不破の関は廃止され、
 ・関屋は廃屋となり、
 ・その後、屋根や廂などが荒んできて、
 ・雨どころか、月の光までが漏れるようになった。
こんな荒涼とした関屋が「不破の関」の代表的な情景となった。


歌はこんな感じで詠まれた


人住まぬ不破の関屋板庇荒れにしのちはただ秋の風 藤原良経(新古今集)

ひま多き不破の関屋はこの程の時雨も月もいかにもるらん 阿仏尼(十六夜日記)

あられもる不破の関屋に旅寝して夢をもえこそとほさざりけれ 大中臣親守(千載集)




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そんな荒れ果てた不破の関屋の現在の姿


う〜ん、
月もあられも時雨も漏れそうにない立派な造りの建屋になっていた



これが入口



関所は789年に廃止されたということは、1200年以上前のこと。
関屋は朽ち果てていったとしても、その後はどうなったのだろう。



前面道路は中山道。(東向き)



こっちは西向き。
坂を下りたところに「藤の関川」を渡る橋がある。



「壬申の乱」の旗がはためいていた。





















美濃国のビッグ歌枕の二強は、養老乃瀧と不破の関と思います





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