すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


義仲寺(滋賀県大津市)




木曽義仲は平家物語の中で、それなりの存在感がある一方の主役であるが、かの松尾芭蕉がそれほどにまで傾倒するほどの人物であるかどうか、前々から疑問に思っていた。芭蕉が義仲を敬愛したことによって、義仲の人物像がことさらに過大評価されているのではないかと。

芭蕉は生前、弟子たちに、自分が死んだら「骸は木曽塚に送るべし」と遺言していたことにより、遺骸は亡くなった大坂から淀川を遡って運ばれてき、近江の義仲寺に葬られた。

木曽殿と背中あはせの寒さかな 又玄




こんな木曽義仲と松尾芭蕉をとりまくエピソードが満載の義仲寺に行ってきた。
義仲寺は「ぎちゅうじ」と読む。大津市の市街地の、旧東海道沿いにある。
義仲寺の近くに駐車場がなかったので、少し離れたショッピングセンターの駐車場に停めた。ショッピングセンターの中で何か買わないと駐車料金が発生するので、朝から吉野家で牛丼を食べた。



これが義仲寺の入口の左側の石碑が並んでいるところ。
正面全体の写真を撮り損ねた。

寺務所?に入ると、とても親切な対応でお寺の説明を受けた。
雪の舞う冬の朝一番にやってきた、マニアの見学者と思われたようだ。



拝観チケット。まさにこの絵の通りの配置であった。



先ずは「朝日堂」。
「朝日将軍」と呼ばれた木曽義仲に因んだ名称。
義仲、今井兼平、芭蕉ほか合わせて三十一柱の位牌を安置。



これは「翁堂」。
正面祭壇に芭蕉の座像、その他いろいろある。
寺務所の方から、天井の伊藤若冲の絵は必見と言われていたが、見るのを忘れた。残念。



境内の様子。



これも境内の様子。入口から奥を望む。



え〜と、とにかく境内には庵とか墓とか句碑とか所狭しとあって、見どころは尽きない!




これが芭蕉の墓



そして、そばに義仲の墓。
「背中合わせ」ではないが、近い距離にあった。



義仲の妾、「巴御前」の塚



少し離れたところに、なんともう一人の妾、「山吹」の塚があった。




そして句碑に至っては境内に19基もあるらしい。


旅に病で夢は枯野をかけ廻る 松尾芭蕉

 


旅の途中に大坂で病んでいたとき、「病中吟」として詠んだ。
この数日後に芭蕉は亡くなったので、辞世の句のようになっている。









歌碑は2基。


「巴」

かくのごとき をみなのありと かってまた おもひしことは われになかりき 三浦義一





三浦義一は昭和の右翼。
「巴御前」を称賛感嘆した歌。







う〜ん、ほかに何か書くことないかな?
とにかく、義仲寺の拝観料は300円であるが、内容を考えれば、コストパフォーマンスの高いものとなっている。














ファイブスター級のゆかりの地でした。





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