すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


恥しの川(山形市)





現代の高度な情報社会で、あらゆる情報を得ることができるこの世の中でさえ、山形県が東北のどの辺りにあるのか、よく分からない。(関西人にとって)
それが中世の時代、だれも行ったことがない最果ての陸奥国や出羽国であったエピソードが世に伝わって、現在に至って史跡となっているのは不思議と言うか奇跡のようなものである。


この「恥しの川」もその一つ。



簡単に書くと、
実方中将は陸奥国で非業の死を遂げた。
その娘、中将姫は実方中将が見ることのできなかった阿古耶松を探しに出羽国の千歳山までやってきた。
千歳山の麓の川でふと顔を映すと、やつれた顔になっていて、恥ずかしい思いをした。

そこでこんな歌を詠んだ

いかにせん 映る姿は つくも髪 わが面影は 恥しの川 中将姫

そこで、この川を「恥しの川」と呼ぶことになった。



う〜ん、なんともコメントの仕様のない物語である。






■「恥しの川」を訪問



これが恥しの川



これも
顔を映すような穏やかな流れではなかった。



「名勝 はづかし川」の石碑



石碑の前のコンクリート橋は「恥川橋」



親柱に「恥川橋」














地元でもあまり観光地として力を入れていない様子でした。






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