すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


箱作(はこつくり)(大阪府阪南市)




大阪のディープサウス、泉南地域に「はこつくり」という変な地名がある。
地名の由来はいろいろあるが、ここでは割愛する。

とにかくそこから「箱の浦(はこのうら)」という海岸名が派生し、それが歌枕の地(とてもマイナーな)となっている。




現在の箱作の海岸

夏は海水浴場になっている


ビーチバレーも盛ん


うーん、コメントなし









「土佐日記」で採り上げられている。
(土佐の国から船で帰ってきた時のこと。難所の紀淡海峡を過ぎて和泉灘にたどり着いた)

                              
黒崎の松原を経て行く。所の名は黒く、松の色は青く、磯の波は
雪のごとくに、貝の色は蘇芳に、五色にいま一色ぞ足らぬ。」

この間に、今日は箱の浦といふ所より綱手曳きて行く。かく行く
間にある人の詠める歌

玉くしげ箱の浦波立たぬ日は海を鏡とたれか見ざらむ 土佐日記



・ ・ ・ そうか、「箱」の枕詞は「玉くしげ」だったのか









土佐日記の中の「黒崎の松原」を南海電車の車内から撮ってきた。
      











「和泉名所図会」に箱作の絵図はないのだが、次の和歌が文章で紹介されている。


箱の浦に明け暮れ遊ぶ葦鶴の千歳の影ぞともに見ゆらん 源重之


阪南市箱作1655 加茂神社に歌碑















現在では「ピチピチビーチ」と呼ばれてます。





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