すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


浜崎(埼玉県朝霞市)






武蔵野の末に、浜崎といへる里侍り。かしこにまかりて、
武藏野を分つゝゆけは濱さきの里とはきけと立波もなし 道興准后(廻国雑記)




「朝霞市」を「あさかすみし」と思っていた。となり「新座市」も「しんざし」と思っていたし、志木市は今回初めて存在を知った。いやはや埼玉県はよく分らない。

今回埼玉県に訪問し、これで46の都道府県に行ったことになる。残りは青森県だけだが、歌枕の地が少なく、またLCCのPEACHが就航していないので、今後も行くことがなさそう。多分ないだろう。


さて、道興准后は東国遊覧の旅で浜崎にやってきた。

そして浜崎という地名なのに波も立っていないと慨嘆して詠んだのが上掲の歌。

え〜と、一般的に浜崎の地名については地形的に説明がなされている。

往古、黒目川が荒川に流入するポイントで、洪積台地が岬状の形で残された場所、そして黒目川もその頃は崖の際を流れて波が岸辺を洗っていたのかも知れない。



識別標高図、丸い線で囲ったところが浜崎



陰影起伏図、荒川に削られた崖がよく見える



広域の識別標高図、全体的な地形がよく分る













■ 現地訪問


事前に調べたが歌碑などはなさそうだった。

このため、どこに行くか迷ったが、とりあえず地元の古い神社に行くことにした。

浜崎氷川神社 (朝霞市浜崎3丁目9−3)
境内に史跡関係のものはなかった



神社から南方向を望む
黒目川方面で標高差がある














道興准后が来て歌を詠まなかったら、一生縁の無い場所でした





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