すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
原(大阪府高槻市)
「摂津名所図会」シリーズ 島上郡の巻
つまり、原村の上方に原山があり、原山の麓に原の池があると。 いやはや、インターネットは便利である。 「市町村アーカイブ」という検索ページで調べると、一発でわかった。 この「原村」は近隣町村との合併の末に、現在では「高槻市原」となっていて、町名としてそのまま残っていた。 そんな原に行ってきた。 ![]() いかにも、その名の通り「原」の風景であった。 グーグルのストリートビューでもこんな感じ |
一方、高槻市の観光協会のホームページをのぞいてみると、 |
なんとなんと、「原」は今でも観光地であった。 そもそも江戸時代の名勝地のガイドブックっである「名所図会」に掲載されるぐらいなので、当時からそれなりの観光地だったのだろう。 そんな原を詠んだ歌を一挙に掲載 |
原山のささやの床のかりぶしに烏の音聞こえ明けねこの夜は | 藤原為家(歌枕名寄) | |
むば玉の夜をへて氷る原の池は春とともにや波も立つべき | 藤原孝善(後拾遺和歌集) | |
原の池に生ふる玉藻のかりそめに君をわが思ふ物ならなくに | 紀貫之(古今和歌六帖) | |
むべしこそ氷とぢけれ霜がれの冬野につづく原の池水 | 藤原信実(夫木和歌抄) | |
しるや君つらら隙なき原の池にかはらぬをしの夜半のうきねに | 読人しらず(夫木和歌抄) | |
冬寒み鳩烏すだく原の池もよにむすぼはる氷なりけり | 藤原仲実(堀河百首) | |
原の池の蘆間に宿る月影はわかれし秋のかたみなりけり | 歌枕名寄 |
圧倒的に「原山」よりも「原の池」の方が多い。しかも季節は冬、そして夜が多い。実はさみしい場所だったのか? そして今回、原地区を探索中に現在版の「原の池」を発見! ![]() これが「原の池」なのか ![]() 蘆も生えてないし。 月影は映るのかな? ![]() 川魚料理店の養魚場でした。 |