すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
蝉の羽の衣に夏は残れども秋の名に立つ機織の池 | 道興准后 |
室町時代の僧侶で聖護院門跡の道興准后が諸国巡回の旅の途中で詠んだ歌。 多分「機織の池」というネーミングが詩情を喚起したのだろう。 「機織池」という名の由来が伝わっている。 昔、機織りで働いていた娘は、織り終わるまで恋人に会いに行くことを許されず、ようやく織り終わって恋人に会うために氷の張った池を渡ろうとしたところ、氷が割れて娘は溺れて死んでしまった。その後、夜になると池の辺りから機を織る音が聞こえてくるという悲恋の物語。 昔は砂州の内側に大きな池が広がっていたが、現在は水田になっていて、一番奥にため池が残っている。 これが機織池の現在の姿。 ![]() ![]() ![]() 昔の池は水田になった ![]() 機織池から海の方向を望む |
グーグルアースで見ると分りやすい 右手から砂州が伸びてきて潟湖になり、その後干拓されて水田になったのだろう。 現在は水田に水を供給する灌漑池となっている。 |