すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


(滋賀県栗東市)




【小ネタ】

「綣」と書いて「ヘソ」と読むらしい。
滋賀県栗東市の旧中山道沿いに、地名として残っている。
この地に鎮座しているのが大宝神社で、大宝年間以来の歴史と由緒ある神社であるが、もともとは疫病を鎮めるためにに建立されたもの。

まあ、この程度のモノで、わざわざ大阪から訪問するのは、万葉集に「へそ」が詠み込まれた歌があるため。


綜麻形の 林のさきの 狭野榛の 衣につくなす 目につく我が背 万葉集
綜麻形(へそがた)の林のはずれの野萩が、着物に染まりついて
離れないように、目について離れないわが背の君よ。
(淡海万葉の世界/藤井五郎 より) 





格別に印象に残るような歌でもないのだが、この大宝神社を取り囲む広大な社叢は、万葉歌に詠われた林が残ったもの。



こんな万葉故地の綣(へそ)にある大宝神社はこんなかんじ

両築地付四脚門



境内。
奥に鎮守の森が見える。



北の鳥居を出たところが旧中山道。
とにかく鎮守の森が広くて深くてすごかった。



この北の鳥居のそばに松尾芭蕉の句碑があった。

へそむらの まだ麦青し 春のくれ 松尾芭蕉














とくにコメントはありません。
初訪なのでよくわからず、遠くに車を停めて歩いて行きました。
地元の人は細い道を通って、境内の横まで車で入って来てましたた。





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