すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
綣(滋賀県栗東市)
【小ネタ】 「綣」と書いて「ヘソ」と読むらしい。 滋賀県栗東市の旧中山道沿いに、地名として残っている。 この地に鎮座しているのが大宝神社で、大宝年間以来の歴史と由緒ある神社であるが、もともとは疫病を鎮めるためにに建立されたもの。 まあ、この程度のモノで、わざわざ大阪から訪問するのは、万葉集に「へそ」が詠み込まれた歌があるため。 |
綜麻形の 林のさきの 狭野榛の 衣につくなす 目につく我が背 | 万葉集 | |
綜麻形(へそがた)の林のはずれの野萩が、着物に染まりついて 離れないように、目について離れないわが背の君よ。 (淡海万葉の世界/藤井五郎 より) |
格別に印象に残るような歌でもないのだが、この大宝神社を取り囲む広大な社叢は、万葉歌に詠われた林が残ったもの。 こんな万葉故地の綣(へそ)にある大宝神社はこんなかんじ 両築地付四脚門 境内。 奥に鎮守の森が見える。 北の鳥居を出たところが旧中山道。 とにかく鎮守の森が広くて深くてすごかった。 この北の鳥居のそばに松尾芭蕉の句碑があった。 |
へそむらの まだ麦青し 春のくれ | 松尾芭蕉 |