すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


日比(岡山県玉野市)






しきわたす月の氷をうたがひてひびのてまはるあちのむらとり 西行



中国地方の歌枕散策においては、「歌人が巡る中国の歌枕」(文化書房博文社)を大いに参考にさせていただいている。
これによると、上記の西行の歌にある「ひびのて」とは、玉野市の日比(ひび)港のことだという。
歌意は、「一面に冴えわたる月の光で、海面が氷ついたと見誤って、比々乃手を飛び廻る味鴨の群れよ」(同書)とのこと。
「味鴨/アジカモ」はトモエカモのことで渡り鳥。食べると美味しいので「アジ」の名が付いたらしい。

たしかに日比港は入り江になっているので、外海の波浪の影響が少なく、湾内は氷が張ったように見えたというのも分かる気がする。





現地を訪問してきた。


日比港。湾内の波は静かだ。



これも



向こうに湾口が見える。





西行は、四国へ渡るためにこの地で潮待ちをしていたらしい。
ただし特に西行と関係するような史跡は見当たらなかった。

















滞在時間は5分程度でした。






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