すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
日比(岡山県玉野市)
しきわたす月の氷をうたがひてひびのてまはるあちのむらとり | 西行 |
中国地方の歌枕散策においては、「歌人が巡る中国の歌枕」(文化書房博文社)を大いに参考にさせていただいている。 これによると、上記の西行の歌にある「ひびのて」とは、玉野市の 歌意は、「一面に冴えわたる月の光で、海面が氷ついたと見誤って、比々乃手を飛び廻る味鴨の群れよ」(同書)とのこと。 「味鴨/アジカモ」はトモエカモのことで渡り鳥。食べると美味しいので「アジ」の名が付いたらしい。 たしかに日比港は入り江になっているので、外海の波浪の影響が少なく、湾内は氷が張ったように見えたというのも分かる気がする。 現地を訪問してきた。 ![]() 日比港。湾内の波は静かだ。 ![]() これも ![]() 向こうに湾口が見える。 西行は、四国へ渡るためにこの地で潮待ちをしていたらしい。 ただし特に西行と関係するような史跡は見当たらなかった。 |