すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


引馬野(愛知県豊川市)



万葉集で有名な「引馬野」
ただし候補地は三カ所もある。

 @愛知県豊川市の引馬神社
 A愛知県知立市の馬市跡
 B静岡県浜松市

それぞれに“根拠”みたいなのがあり、それぞれ納得する内容になっている。


今回、豊川市の引馬神社に行ってきた。




車で行ったのだが、駐車スペースがなく、しかも神社の前面道路は四車線の国道で、信号もないので車は飛ばしまくっていて、危ない所であった。



こんな感じで国道に面している。



だれもいない境内。
神社って、このように社殿の前が広場になっている所が多い。

    
     
なお、前面道路と書いたが、本来の参道は道路の反対の北側にあるらしい。



境内東南隅に引馬野伝承地の案内がある。

引馬野に にほふ榛原(はりはら) 入り乱れ 衣にほはせ 旅のしるしに 長忌寸意吉麻呂(万葉集)
引馬野で、はんの木の匂いに入り乱れて、服を染めていこう、旅の記念に
       

なお、この万葉歌碑にはもう一首の歌が記載されている。

いづくにか 舟泊てすらむ 安礼の崎 漕ぎ廻み行きし 棚なし小舟 長忌寸意吉麻呂(万葉集)


この「安礼の崎」も、候補地が三カ所あるらしい
 @愛知県豊川市の引馬神社近くの海辺あたり
 A愛知県蒲郡市御前崎
 B静岡県の浜名湖周辺



「引馬野」と「安礼の崎」伝承地の石碑が境内にあった。









まあ、候補地がいろいろあるのは、畿内から遠かったので、どこであろうと関係なかったのだろう。










春霞立ちかくせども姫小松ひくまの野べに我は来にけり 大江匡房(金葉和歌集)
春霞が立って隠しているが、姫小松を引く引馬野の野辺に私はやってきた。
(浜島書店)


















地図の写真の通り、神社の北側は田んぼが広がり
長閑な風景でした。






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