すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
日根野(大阪府泉佐野市)
神話時代、日の国(神の国)と根の国(あの世)の中間のところ(この世)という意味で「日根野」という地名になった(らしい)。 戦国時代の美濃斎藤氏の重臣であった日根野氏は当地発祥の豪族。 また、この地にある日根神社は、大鳥神社とともに和泉国を代表する神社である。 このように、日根野は古来由緒ある地名であった。 ところが近代以降、日根野は近隣の佐野や熊取に比べて発展が遅れ田舎町に落ちぶれてしまった。 私事であるが、私が学卒後に就職した某企業では、日根野支店は辺境地にある弱小店舗とされていて、日根野支店配属イコール左遷のイメージであった。 (言いすぎかな) |
ふるさとの旅寝の夢に見えつるは恨みやすらむまたととはねば | 大和物語 |
故郷の人が旅寝の夢に出てきたのは、私を恨んでいるからだろうか。 故郷の人に一度も安否の手紙を出していないので |
*「旅寝の(たびねの)」の中に日根野が織り込まれている。 この歌だけを見ても全く意味がわからない。 大和物語の一節で、出家した宇多天皇が、日根野辺りにたどり着き、つき従っていた橘利良に「日根野を詠め」と命じたもの。 (説明すると長くなるので、前後のストーリーは割愛します。) 世上、「うまい歌」と評価されているようだが、個人的には何とも思わない。 |