すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
朝日さす日置の里を眺むれば卯の花ひらく懐かしきかな | 藤原定家 |
上の航空写真を見てほしい。 この集落が藤原定家が歌に詠んだ日置の里らしい。 家屋も数える程度であるし、大きな敷地は工場用地である。 もちろん国道に併走するJR山陰線にも駅は設置されていない。 往昔はそれなりに人口もあって、栄えた場所だったのかな。 とにかく現在の地名も「日置」であり、そしてこの里の高倉神社には定家の歌碑がある。 なお地元では日置を「へき」と読む。歌の方は字数の都合から「ひおき」だろう。 日置の里へ訪問 ![]() 高倉神社の前の道、国道9号線、東向き ![]() 西向き、車が全速で走り抜けるような場所だった ![]() 高倉神社、鳥居 ![]() 社殿 ![]() 社殿の裏の、探さないと分らないような場所に歌碑があった 説明板もなかった。あまり重要視していない様子だった |
え〜と、同じ丹波国で、京都府ではなく兵庫県にも「日置の里」の候補地がある。丹波篠山市の日置で、兵庫県立図書館の資料では、こちらを「日置の里」と比定している。 といって、これといった史跡も整備されておらず、歌枕フリークとしてはやはり歌碑が設置されている京都府福知山市の方に軍配を挙げたくなる。 兵庫県篠山市の日置に訪問 ![]() ![]() ここは旧国鉄篠山線の丹波日置駅の跡地。篠山線は1972年に廃線となっている。 |
曇りなき君が御代にはあかねさす日置の里も賑はひにけり | 大江匡房(夫木和歌抄) |