すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


広瀬川(宮城県仙台市)







昭和の名曲、「青葉城恋唄」


 ♪♪♪
  
広瀬川流れる岸辺
  想い出はかえらず
  早瀬おどる光に
  ゆれていた君のひとみ ♪♪♪



是非カラオケで歌いたい歌であるが、サビの部分で声が出なかったらどうしようかと、いつも悩んでしまう。

歌詞には、七夕祭り青葉通り杜の都と、仙台関連のキーワードが散りばめられている。

歌のテーマは、広瀬川の流れはいつも同じなのに、あの人はもういない、という内容で、「年年歳歳、花あい似たり、歳歳年年、人同じからず」という禅語を想起するが、やはりこれは歌謡曲なので、あの人はもういないけど再会したいという未練の歌に仕上がっている。





この曲で歌われている広瀬川は、仙台都心部を大きく蛇行しながら流れ、仙台七夕花火祭や広瀬川灯籠流しなど祭りの会場になったり、河原で市民が芋煮会を楽しんだりと、仙台のシンボル的な川となっている。



広瀬川の連続写真


















こんな広瀬川であるが、古来みちのくの歌枕として知られている。


ひろせ川渡りの堰の澪しるし みかさそふらし五月雨のころ 西行
みそぎして神の恵みも広瀬川 幾千世までかすまんとすらん 藤原隆信(千五百番歌合)
広瀬川袖つくばかり浅けれど 我は深めて思ひそめてき 源実朝(金塊和歌集)








水を差すようだが、ここに掲載した広瀬川の歌は、大和国の広瀬川を詠んだものだと思う。
江戸時代の仙台藩は、藩内の景勝地をむりやり歌枕に仕立てるといった政策をとってきたが、多分この広瀬川もそうだと思う。














仙台の夜は、地酒の綿屋の純米酒を楽しみました









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