すさまじきもの 〜歌枕探訪〜



人国山(和歌山県田辺市)




「人国山」は熊野古道の紀伊路の終点である田辺市にある。

熊野古道はここから中辺路に入り、険しい山道を熊野本宮に向かう。

ただし「人国山」は8世紀に成立した万葉集に収録されている。

ということは、貴族の熊野詣が流行った時期よりもはるか昔に「人国山」を詠み込んだ歌ができていたということ。

そして歌の内容も素晴らしい


見れど飽かぬ人国山の木の葉をし我が心からなつかしみ思ふ 万葉集
いくら見ても見飽かない人国山の美しいあの木の葉が心のそこから
なつかしいはるかな人国山よ。人国山の木の葉とは、人妻のこと。
人妻に恋をしてしまった男の歌。(訳:み熊野ねっと) 



常ならぬ人国山秋津野のかきつはたをし夢に見しかも 万葉集
 人国山の秋津野(あきづの)に生えるかきつばたを夢に見たことだ。
人国山のかきつばたとは人妻のこと。
これも人妻に恋をしてしまった男の歌。
 (訳:み熊野ねっと) 


・・・たしかに熊野への参詣途上に詠むような歌の内容ではない。







そんな人国山について、いろいろな本やネットを見ても場所が特定できず、この数年間ほったらかしにしていたが、ようやく地元特産品のチラシの地図から特定できたもの。


これが人国山!現在名は「人目山」

真ん中の円錐形の山。なんとなく気品があるような。


これも真ん中の山。


う〜ん、たしかに整った形状だけど、この程度の山ならどこにでもあるような気がする。(だから何年もわからなかった)






参考:み熊野ネット

 









人国山を特定したって喜んたけど、本当にあれで合ってるのかな?




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