すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


一夜松(京都市上京区)




小ネタ




さすが、北野天満宮の境内には、本殿を囲むように50の摂社と末社がずらりと建ち並ぶ。その中の一夜松神社は一夜千松の霊を祭神とする延命長寿の神だそうだ。

菅原道真は死んだのち、神霊となって北野天満宮の地に降臨し、一夜にして千本の松を生じさせたという伝説がある。現在でも境内に松の木が多いのは一夜千松の名残だとされている。


道真公のこの種の伝説は世間に無数にあってキリがないのだが、たまたまこの一夜松にちなんで詠まれた歌が都名所図会に収録されていたので、北野天満宮へ訪問した先に、数多の摂社・末社の中から一夜松神社を探して訪ねてみた。





【北野天満宮】

国宝の本殿
受験生らしい若者と、外人観光客がたくさんいた。





【一夜松神社】

境内の梅苑の中を通っていくと、



これが一夜松神社。



他の二つの摂社と合祀されている。







さて、一夜松を詠んだ歌の紹介



「寄松述懐」

一夜松千代の末葉の老木まで木だかくなりぬ年も位も 菅原為長



作者の菅原為長は平安末期の公卿で、道真公の末裔とされる。
衰退していた菅原家であったが、為長は異例の正二位、参議、大蔵卿叙任を果たし、89歳まで生きた。為長は、先祖の道真公が種を蒔いた伝説のある一夜松の老木のように、年齢も地位も高くなったと感慨にふけた歌。



一夜松については、ほかにも色々と和歌に詠まれているらしいが、よく分からない。調べてみたい。





北野天満宮の境内の松。これも一夜松の名残なのかな。
















もっと調べると、いろいろと出てきそうです。






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