すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
櫃川(京都市伏見区)
櫃川(ひつかわ)は山科川の古称。 山科盆地を南へ貫流し、伏見区で宇治川に注ぐ淀川水系の川。 どうってことのない川であるが、むかし旅人が大和街道を行くときに、この川を渡り、それなりに印象深かったのだろう。 【今の姿】 ![]() ![]() 櫃川を詠んだ歌 |
都いでて 伏見をこゆる 明方は まづうちわたす ひつかはの橋 | 藤原俊成(新勅和歌集) |
日暮れなば岡の屋にこそ臥し見なめ 明けて渡らん櫃河の橋 | 梁塵秘抄 |
大和街道を奈良方面に向かう旅人の歌であろう。 |
ひつかはの岸に匂へるかば桜ちるこそ花のとぢめなりけれ | 衣笠内大臣(夫木和歌集) |
現在のように、昔も川の堤には桜が植えられていたのかな |