すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
法輪寺(京都市右京区)
嵐山の大堰川の右岸にある、それなりの名刹寺院。 入口から名刹モード全開! ![]() 山門からはお決まりの石段が続く ![]() ![]() ![]() 本堂も立派! ![]() とっても ![]() ここは西行の出家の祭のエピソードの舞台となっている。 それは、既に出家していた空仁が法輪寺に庵を結んでいたところに、西行が友人の源季政(のちの西住)とともに話を聞きに来て、大いに感銘を受けて西行たちも出家する気になったというもの。 |
大堰川 君が名残のしたはれて 井堰の波の袖にかかれる | 西行 |
大堰川を舟に乗り帰る時になりましたが,貴方(空仁)との別れが名残惜しく慕われて, 川を塞き止める堰(せき)からの波が袖にかかります. (「袖が濡れる」とは,「涙が流れる事の比喩」) (YAHOO知恵袋より) |
いつか又めぐり逢ふべき法の輪の嵐の山を君しいでなば | 西行 |
今度いつまた法輪が転じる様に貴方(空仁)と巡り会う事が出来るでしょうか. もし,この嵐山を貴方が出て行ってしまったならば (YAHOO知恵袋より) |
大井川 船に乗り得て 渡るかな | 西行 |
流れに棹を さす心地して | 西住 |
(前句) 「船に乗ることができてこの大堰川を渡るよ(仏の法を得て彼岸に到達するよ)」 (付句) 「流れに棹さす心で(この機会を逃すことなく世を背こうという心で。)」 (和歌文学大系21) |
さて、石段を上ると嵯峨野の町並みが一望できた。 ![]() 渡月橋が見える。 ![]() 梅がきれいであったが、うまく写真に撮れなかった。 ![]() 十三まいりの日だった それから、謡曲「小督」にも法輪寺は少しだけ登場。 高倉天皇に命じられて小督を探すことになった源仲国が、琴の音をたよりに月夜の嵯峨野を探しまわる場面。 法輪寺の近くで名曲「想夫恋」が聞こえてきた。 地 「嵯峨野の方(かた)乃秋の空。さこそ心も澄み渡る片折戸(かたおりど)をしるべにて、明月に鞭を揚げて駒を早め急がん シテ 「賤(しづ)が家居の假なれど 地 「もしやと思ひ此処彼処に、駒を駈け寄せ駈け寄せて控へ控へ聞けども琴弾く人はなかりけり。月にやあくがれ出で給ふと、法輪に参れば琴こそ聞え来にけれ。嶺の嵐か松風かそれかあらぬか、尋ぬる人の琴乃音か楽は、何ぞと聞きたれば。夫を想ひて、戀ふる名の想夫戀なるぞ嬉しき いや〜、平家マニアにとっては感動的なシーンである。 感動のままに、先に上ってきた石段を下りていくと、何やら由緒あり気な石碑があった。 ![]() 歌碑のようであるが、剥落していて読めなかった。 |