穂坂の駒を詠んだ歌
逢坂の関路にけふや秋の田の穂坂の駒をむらむらと牽く | 堀川百首 | |
打ちなびき秋は来にけり花すすき穂坂の駒もいまや牽くらむ | 夫木和歌抄 | |
白妙になびくまそでや花すすき穂坂の駒に逢坂の山 | 飛鳥井集 | |
関の戸に尾花葦毛のみゆる哉穂坂の駒を引にやあるらん | 堀川院御時百首和歌 | |
秋の田のほさかの駒を引つれて をさまれる代のかひもありけり | 藤原長家(新葉和歌集) | |
花すゝきほさかの駒やまかふらん 玉しく庭の月の光に | 藤原光経 | |
時来ぬと民もにきはふ秋の田の 穂坂の駒をけふそ引ける | 年中行事歌合 |
時期は秋、 花すすき(尾花)が咲いている。 甲斐の穂坂で肥育され大きくなった馬が、逢坂関まではるばる 東国の御牧から送られてくる馬を、逢坂の関で迎えるという「 この秋の風物詩である駒迎は、都在住の多くの歌人たちに詠まれた。 つまり、詠まれた場所は京都や逢坂関であって、甲斐国の穂坂ではない。保坂産の馬を見て逢坂関で詠んだもの。 ![]() これが甲斐国の穂坂 ![]() ここで飼育された馬が都へ牽かれていった |