すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
伯耆国庁跡(鳥取県倉敷市)
有名な万葉歌人である山上憶良は、伯耆国の国守だったが、万葉集に憶良が伯耆国で詠んだ歌は収録されていない。 憶良は伯耆国に5年も赴任していたのに。また憶良は万葉集に80首近く入集されているのに。 次に赴任した筑前国では有名な歌を連発しているのと比べると、伯耆国はイマイチ感興が湧かなかったのかな。 しかも、隣の因幡国では大伴家持が万葉集ラストを飾る超有名な新年を寿ぐ歌を詠んでおり、伯耆国はまったく運がない。 そんな歌を詠まない憶良を詠んだ歌がある |
歌一つ残ることなく此の国に 四年の憶良さまざま思ふ | 土屋文明 |
土屋文明は明治生まれの歌人で、万葉集の研究者。 え〜と、伯耆国庁跡に行ってきた。 ![]() 案内板があるだけだった。 発掘調査後は埋め戻されたのだろう。 ![]() 案内板から東 ![]() これは西 ![]() これは南 今まで行った各地の国庁跡の中で最も閑散としていた。 一年に何人ぐらいの訪問者がいるのだろうか。 ![]() 周りの風景 ![]() これも。地味は良さそうだ。 さて、中世この地域には後白河上皇につながる荘園として、稲積荘があった。「稲を積む」ってなんとも縁起の良い地名であるが、現在「米積」という地名となって残っている。 ![]() 稲積里を詠んだ歌 |
秋の田の稲積里のあさ風に 寒くきなきぬ初雁の声 | 歌枕名寄 |
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