すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
法善寺横丁(大阪市中央区)
織田作之助の代表作「夫婦善哉」の最終場面
「こ、こ、ここの善哉はなんで、ニ、ニ、ニ杯ずつ持って来よるか知ってるか、知らんやろ。こら昔何とか太夫ちう浄瑠璃のお師匠はんがひらいた店でな、一杯山盛りにするより、ちょっとずつ二杯にする方が沢山はいってるように見えるやろ、そこをうまいこと考えよったのや」 蝶子は「一人より女夫(めおと)のほうがええということでっしゃろ」ぽんと襟を突き上げると肩が大きく揺れた。 蝶子はめっきり肥えて、そこの座蒲団が尻にかくれるくらいであった。 |
大正昭和の大阪を舞台とした、ダメ男と、ダメ男を夫に持つ肝っ玉かあちゃんの話。 化粧問屋の息子の柳吉は芸者の蝶子と駆け落ちし、その結果、親から勘当されてしまう。 柳吉はうまいものに目がなく、蝶子を連れて「うまいもん屋」巡りをするというグルメ雑誌のような内容。 最後、法善寺横丁の夫婦善哉を食べるくだりで終わる。 |
行き暮れて ここが思案の 善哉かな | 織田作之助 |
横丁の中に句碑があるらしいので、今度写真を撮ってきます。
「夫婦善哉」は今まで何度か読みましたが、
読むたびにだんだん趣きが深くなってきました。
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