すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


富士川(静岡県)



JR身延線に沿って山梨県から静岡県の駿河湾に注ぐ一級河川。
日本三大急流の一つで、あとの二つは最上川(山形県)と球磨川(熊本県)
古典文学的には平家物語「富士川の戦い」であろう。
水鳥の羽音に驚いた平家軍が逃げてしまったというエピソード。


2014年夏、東海道を旅行した際には、「富士川」と、「『富士川の戦い』の石碑」を訪問地として予め選定し、とくに石碑については『富士市新橋町11−5』の住所まで確認していた。


ところが、いざ車で行ってみると、国道一号線バイパスが快適すぎて、旅の疲れもあったのか、「富士川」も「『富士川の戦い』の石碑」も一気に通過してしまった。







写真は新幹線の車窓から撮影したものがたまたまあったので掲載する。

富士川の堤防
2014年1月、東京行きの新幹線から
これを見ていると、富士山撮影は冬がいいのかな



富士川の河川敷は広い



富士川水管橋が見える
連続アーチ橋が素晴らしい!









平家物語「富士川の戦い」関係では、落首(世を風刺した狂歌)が残っている。
 
ひらやなるむねもり如何に騒ぐらむ柱とたのむすけを落として
平家を「ひらや」とよむ。
平家の棟梁は「むねもり」(平宗盛)、討手の大将軍は「(ごんの)すけ」


富士川の瀬々の岩こす水よりもはやくも落つる伊勢平氏かな
平家は、急流の富士川よりも早く落ちていった


富士川に鎧は捨てつ黒染の衣ただきよ後の世のため
追討軍の参謀は上総守忠清
平家は鎧も何もかも捨てて逃げていった


ただきよはにけの馬にぞ乗りてげる上総しりがいかけてかひなし
忠清は上総守











その他、富士川を詠んだ歌としては、次の頼政の歌が気に入っている。


夏もなほ雪げの水の末なれば富士の川こそ冬ごこちすれ 源三位頼政





 
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橋梁マニアなので、一度じっくりと富士川に架かる橋を見学したい。






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