すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


船木の浜(滋賀県高島市)







寛治元年、堀河天皇、大嘗会主基方御屏風

川島ふなきの浜岩千鳥(いはちどり)(おのれ)が名をば(とし)と頼まん 大江匡房





長門国に「船木」という山陽道の宿場町があった。地名の由来は、昔、神功皇后が三韓征伐へ向かう際に現地の楠の大木を伐り、軍船48艘を造ったことによるそうだ。

その後、「船木」は船材の木を伐り出す山や集積地の地名となっていき、全国に広がっていった。

近江国高島郡の安曇川河口の地名である「船木」もそのひとつである。

安曇川上流の山地で伐採された木材は、川に流して河口の「船木」で集積された。それらを琵琶湖、瀬田川の舟運を利用して奈良や大阪に運んでいたようだ。

それにしても「船木」の地名が大嘗会和歌の歌枕として相応しいのかどうかよく分らない。

上記の歌では、「船木」にいる『千鳥』が、「千 = 永遠 = 不老不死」に連想されてめでたいことになっている。

『千鳥』が重要ポイントであり、「船木」はあまり関係ないような。







■ とりあえず現地に行ってきた



新堀漁港、三角州の先端部分
後掲歌の「安曇の湊」がこれかな



新堀漁港の周辺



安曇川浜園地から見た琵琶湖



これも。
「船木の浜」かな








そのほか「船木」つながりの歌


あしり潟漕ぎ行く舟は高島 あどの湊に泊めにけんかも 夫木和歌抄

安曇川河口の湊




いかなれば船木の山のもみじ葉の秋は 過ぐれどこがれざるらん 右大弁通俊(後拾遺和歌集)

船木の山は、船木から見える山のことだろう


















安曇川の梁漁に興味があります





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