すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


市場(大阪府泉佐野市)





前職での話。

あるプロジェクトが大阪府泉佐野市で進んでいた。
現地視察に行ったところ、同行したパートナー企業のキーマンである市場君が、「このプロジェクト、絶対に成功しますよ。なぜならここの地名は『市場』で、私の名前も『市場』です。こんな偶然はありません」と言い放った言葉を信じて、仕事に邁進した。しかし程なくしてプロジェクトは頓挫、それ以来、泉佐野の「市場」は思い出すのも嫌な場所となっていた。国道沿いにあるのだが、遠回りしたこともある。




あれから何年になるのだろうか。
先日、泉州地方の熊野古道を歩いた時に、泉佐野の市場を通り過ぎた。
そして佐野市場を詠んだ歌を思い出した。


いづみなるさのの市人たち騒ぎこのわたりには家もありけり 三条西実隆



これは室町時代後期の公家、三条西 実隆が高野山参詣の道中で詠んだもの。三条西 実隆は京都から熊野街道を経て高野山に向かったようだ。そして泉佐野にあった市場の喧騒と家々が建ち並ぶ風景を詠んだもの。






そんな泉佐野の市場はこんな感じになっている。


熊野古道、市場あたり





古道の面影が残る(?)。





熊野古道沿いは一般的な住宅地になっていた。





住居表示





右手のポスターの顔が気になる








現在では、すぐ近くを国道26号線が走っている。




歩道橋があって、





歩道橋の地名板は「市場町」





階段から接写した。





歩道橋の上から北向き





南向き。
まあ、なんというか、一般的な郊外の道路であった。





和歌の故地だと思えば、愛おしい地名に見えてくる。





(北と南が反対になっている)
地図の、左上から右下へ斜めに伸びている道が熊野古道。
熊野古道は「市場」の町を貫いて通っている。




泉佐野の市役所も「市場」にある。昔から泉佐野の中心地だったようだ。















まだトラウマは消えてません





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